光線過敏症とは、光線にあたることで、異常な皮膚症状がおきる現象。光線があたることでおきる光線過敏症と、別の原因の病気が光線に当たることで、誘発されたり悪化したりする広い意味での光線過敏症がある。年齢により、発症の傾向が異なる。
分類
■多形日光疹(青年期に好発)
光線過敏症の中で最も多い。10~30代女性に多発。
強い日に当たった時に、粟粒大の紅色の丘疹が数時間後より現れ、数日間持続する。
紫外線にあたった皮膚で生じるアレルゲンに対する湿疹反応。
しばらくは遮光が好ましいが、耐性ができると自然にできなくなることが多い。
■日光蕁麻疹(青年期に好発)
日光にあたった場所がすぐに赤くなりひどい場合はみみずばれになる。
光線があたった皮膚で生じるアレルゲンに対しての即時型アレルギー反応で、日陰や屋内に入れば、30分くらいでおさまる。
作用波長に応じた遮光対策と、抗ヒスタミン内服で治療するが、完全には抑制するのは難しい。
■光接触皮膚炎(中年期に好発)
外用薬や化粧品を原因化学物質として、アレルギー性接触皮膚炎と同様の機序でおきる。
近年多いのは、非ステロイド系消炎鎮痛外用薬ケトプロフェンパップ剤など。
感作物質がついた部分が日光にあたると、紅斑・漿液性丘疹ができ、ひどくなると浮腫や小水疱が生じる。
ケトプロフェンによるものは、貼った場所のみならず、また中止後も数カ月にわたり再発することがあるので、注意が必要。
光パッチテストで診断確定する。
治療は原因物質を避けることと遮光対策(サンスクリーン)。
ステロイド外用・内服、抗ヒスタミン剤内服。
気づかずに、接触・日光にあたることを繰り返していると、苔癬化・慢性光線性皮膚炎に移行することがあるので要注意。
■光線過敏型薬疹(中年期に好発)
薬剤の投与後、日に当たることによって、光露出部に皮疹が生じる。
原因薬剤は、降圧剤(シラザプリル)、チアジド系降圧利尿薬、高脂血症治療薬(シンバスタチン)、抗不正脈剤(塩酸チリソロール)、フェノチアジン系向精神薬、ニューキノロン系抗菌薬など多数。
薬剤摂取後、2、3日~2週間で症状がでることが多い(早い場合数時間、時には半年以上内服して)。日光にあたる場所に、 紅斑、浮腫、丘疹、小水疱、色素沈着などが生じる。
症状が悪化すると、湿疹様、扁平苔癬用、エリテマトーデス様など様々な症状を生じる。
治療は原因薬剤の中止と多系統薬剤への変更、サンスクリーン剤などで遮光。
症状がひどい時は、ステロイド剤の外用・内服、抗ヒスタミン剤の内服。
■慢性光線性皮膚炎(中年期~老年期に好発)
光に当たった部分に持続する浸潤性丘疹や湿疹を呈するが、光に当たらない部分にも拡大したり、紅皮症状態にまで進展することがある。
光線があたった皮膚で生じるアレルゲンに対して接触アレルギーを起こしている可能性が示唆されている。
中年以降の男性に好発、広範囲の光線に高度の光過敏症を呈する。
顔面・頚・胸部・手背など露出部に湿疹性病変が生じ、激しい痒みのため掻いているうちに、苔癬化・痒疹がひどくなることがある。
治療は徹底した日光遮断。
ステロイド剤の外用・内服、抗ヒスタミン剤の内服。
検査
・光パッチテスト
・薬剤と紫外線照射による誘発など。
治療
■外用療法 サンスクリーン剤、ステロイドなど。
■内服療法 抗ヒスタミン剤、ステロイドなど。
漢方でのみたて
・熱毒 (ねつどく)
・湿熱 (しつねつ)
・表気虚弱 (ひょうききょじゃく)
などにわけられます。
清営顆粒、瀉火利湿顆粒、黄連解毒湯、衛益顆粒子、その他、清熱解毒作用のある健康食品などがよく使われます。
養生
・悪化する要因をさける
・高カロリー・高脂肪食、アルコール、たばこ、コーヒー、香辛料の多いものは控える
・甘いもの(お菓子、チョコ、ケーキなど)を控える
・乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズなど)を控える