生理周期は、個人差がありますが、28日前後が一般的です。排卵を境にして、前半を卵胞期(低温期)、後半を黄体期(高温期)とよびます。黄体期に分泌される黄体ホルモンには、子宮内膜を柔らかくし、基礎代謝を活発にする働きがあるため、黄体期は高温となります。
■まず、低温期と高温期に0.3-0.5℃の差がある「二相性」である。
■低温期から高温期には、3日以内にスムーズに上昇する。
■高温期が12日以上持続する。
基礎体温が正常でない場合、中医学では、基本的に次のように対応します。(ご紹介するのは、よくあるパターンの一部です)
一相性
■無排卵
■無月経
排卵がなくては、妊娠は不可能ですから、中医学では、ホルモン分泌に働きかける「補腎薬」やよい血を増やす「補血薬」を中心に活用し、卵胞を育て排卵できるよう働きかけます。「瘀血」や「痰濁」など、正常なホルモンの働きを邪魔するものがある場合は、それらを除く薬も併せます。
高温期への移行時間長い
■排卵障害(多嚢胞性卵巣症候群、高プロラクチン血症などのケースも)
階段状に上がり、数日かかるケースが多い。中医学では、一般的に「補陽薬」「疏肝薬」「活血薬」などを活用します。このような薬を、排卵日前後に集中して、服用する場合もありますが、低温期の問題が大きい人は、全周期を併せて考えて薬を選ぶ必要があります。また、PCOSなどがひどく、周期も大幅に長くなるようなら、その治療を優先します。
高温期が短い
■黄体機能不全(日数が12日未満、低温期との温度差0.3未満)
一般的に黄体ホルモンの働きを補助する「補陽薬」、途中でガクッと下がる場合は、身体のエネルギーをアップする「補気薬」などを活用して、高温期を保てるようにします。ただし、高温期の現象(黄体機能)も、低温期の状態(卵胞の成長)を反映していることが多いので、低温期の状態も観察して、全周期を併せて考え、薬を選ぶことが大切です。
高温期が高すぎる
■長期のホルモン治療後などに(低温期との差が0.5℃以上)
高温期が高くなりすぎても、着床しにくくなります。 潤しながら過剰な熱をとる方法で、身体と子宮の体温を整えてゆきます。
変動が激しい
■ストレス過剰
■高プロラクチン血症
ストレス・イライラが多い人は、変動がはげしくなります。リラックスさせ自律神経を正常に保つ「疏肝薬」や、ホルモンを司る「腎」を強くする薬を中心に活用します。