乳汁分泌ホルモンのプロラクチンは、常に少量は出ていますが、妊娠中に増え始め、産後の授乳期に大量に分泌されます。高プロラクチン血症は、妊娠中でも授乳期でもないのに、血中プロラクチン値が高くなってしまうホルモン異常です。ふだんは正常でも、ストレス時・睡眠時に高くなる潜在性高プロラクチン血症の人もいます。
プロラクチンは、視床下部―脳下垂体―卵巣系の一連のホルモンの分泌抑制に働き、本来の性ホルモンの働きを邪魔するので、生理不順・卵胞発育障害・排卵障害・乳汁分泌・基礎体温が二相に分かれないなどの現象がおこり、当然不妊の原因にもなってきます。
中国漢方では、『肝』(西洋医学でいうと、乳汁分泌や血流のコントロールの役割)や『腎』(西洋医学でいうと、生殖機能全般)を調節する薬を中心に活用して、体調を整えていきます。 中国で、昔から断乳に使われてきた『炒麦芽』も活用します。
特に、『炒麦芽』のプロラクチンコントロール効果はたいへん良く、『肝腎』を強くする薬と併用することにより、体調がよくなるのはもちろん、2-3か月で、基礎体温が二相に分かれてくる、波動が少なくなる、周期が28日に近くなってくる方が多くいらっしゃいます。 ただし、多嚢胞性卵巣症候群を伴ったり、流産の経験がある方は、西洋医学の治療と組み合わせたり」、少し長く服用する必要があります。