出産後、しばらくしてふと気がつくと、髪や眉がうすくなる、肌が乾燥しやすかったりと、トラブルに気づくことがあると思います。 妊娠・出産は、女性の大切な仕事ですが、体質や食事によっては、お母さんの髪や肌に栄養がいきわたらず、想像以上にダメージをうけてしまうこともあります。
漢方では、歯や髪をしっかり保つのは「腎」、肌や髪や爪をつややかに保つのは「血」の働きによると考えます。妊娠・出産・授乳では、「腎」も「血」も消耗しますから、しっかり食事や休息が取れない場合は、肌や髪・爪・歯などにもトラブルがでやすくなるのです。
髪の痛み・爪が気になるタイプ
漢方の「血」は、肌・目・爪・筋肉などを正常に保つものです。また、出産や授乳では、最も消耗されるものです。産後、いっしょうけんめいおっぱいをあげてきたママは、「血虚」の状態におちいりがちです。顔色がさえない・疲れやすい・特に目が疲れる・生理の量が減った・気持ちが沈んだりイライラしやすくなったなどの症状も。
「血」を増やす効果の期待できる食品は、レバー・ドライフルーツ・にんじん・くこの実・ベリー類など赤い食品が多いので、積極的に。 夜更かし・目を使う作業はほどほどにしてやりすぎないように。
漢方では、「補血」のお薬を利用します。 婦宝当帰膠、四物湯など。
虫歯や抜け毛が気になるタイプ
漢方の「腎」は、カルシウムなどの代謝・腎機能にも関係すると考えるので、出産という大仕事のあとは、腎に関係する歯や髪・排尿・腰・むくみに影響がでる「腎虚」になることもよくあります。もともと弱かった、出産後ゆっくり休めなかった人によくおこる傾向があります。
「腎」の強化には、黒ゴマ・海藻・こんぶ・黒砂糖などの黒いもの、山芋・おくら・納豆などネバネバする食品を毎日少しづつでもとることをおすすめ。もちろん全体のバランスも大切。体やお腹を冷やしたり、疲れはためないように工夫して。
漢方では体質にあった「補腎」のお薬を利用します。 参茸補血丸、参馬補腎丸、八味地黄丸など。