母乳がでない

 母乳のよさはわかっていても、思うようにでなかっあり、張ったり痛くなったり。漢方には、質のよい母乳をつくったり、うまくだせるようお手伝いする方法があります。

母乳のでが悪い

■気血虚弱タイプ

 漢方では、母乳は、「血」の豊富さを反映すると考えます。胃腸が弱く気や血を充分に作れない人、出産時出血が多く血を消耗している人などは、母乳も充分な量がでません。産後、最初からほとんどあるいは全くでない、母乳がうすい、乳房が柔らかく張らないなどのタイプ。また、30代後半以降の人も、血が不足しがちなので、母乳の出がわるいことがあります。

 栄養を補給しようと、油や肉の多いこってりした食事や甘いものは、母乳がつまりやすく逆効果。バランスのとれた和食が一番適しています。食材としては、鶏肉・豆製品・色の濃い野菜・きのこ・なつめ・プルーン・黒砂糖などがおすすめです。もちろん冷たいもの・消化の悪いもの・刺激の強いものはさけたほうがよいです。

 「補気」「補血」や「通乳」のお薬を利用します。 補中益気湯、婦宝当帰膠など。

■肝鬱気滞タイプ

 漢方の「肝」は、気をめぐらし特に、肝の経絡の母乳の流れにも影響しますが、ストレスなどで気の流れが悪くなると、母乳もでにくくなります。産後最初はでたが減ってきた或いは全くでなくなった、胸が脇が張る、イライラする、微熱がでることも。

 やはりバランスのとれた食事が大切。やや香りの強い野菜や、好きな香りのハーブティーなども。でもあまり神経質にならずに、食事を楽しむことが何より大切。

 「疏肝」や「通乳」のお薬を利用します。 星火逍遥丸など。

母乳がですぎる

■気血虚弱タイプ

 漢方の「気」は、固摂作用があり大事なものが漏れでないようにとどめる作用がありますが、「気虚」タイプの人は、とどめる力が弱いため、母乳も自然にもれでてしまいます。母乳は、うすく、乳房もはらず柔らかい状態です。

 バランスのとれた食事や冷たいもの・消化の悪いものを控えて、胃腸に負担をかけないことが大切。

 「補気」「補血」や「固摂」のお薬を利用します。 補中益気湯など。

■肝経郁熱タイプ

 ストレスや高カロリーの食事で、肝の熱が過剰になると、熱症状が強くでて、母乳も勢いよくでてしまいます。母乳は量も多く色が濃い状態で胸もハリが強い。イライラしたり便秘をすることも。

 熱をさかんにしてしまうこってりしたもの・味のこいもの・甘いもの・辛いものは控えて。 ストレスやイライラは発散する工夫を。

 「解郁」や「清熱」のお薬を利用します。 加味逍遥散など。