乳腺炎とは、乳腺が炎症をおこしたものですが、細菌感染のない乳管のつまりから、細菌感染をおこした状態のものまであります。
程度で大きく分けると・・・
■うったい性乳腺症
赤ちゃんが充分に吸ってくれないなどで、おっぱいが乳管に停滞し閉塞してしまった状態。細菌感染ななし。
■急性乳腺炎
おっぱいが乳管に停滞したところに、授乳などで傷ついた皮膚からの細菌感染で、古い母乳が感染して、膿瘍ができてしまった状態。 初産婦さんが、授乳をはじめて2-3週間の間に多い。
■乳輪下膿瘍
乳頭のまわりの乳輪の下に、おできができてしまう状態。陥没乳頭の陥没した部分にあかがたまり細菌がついて感染することが多い。慢性化することも多々あります。
漢方でも、おっぱいのつまりの原因として、赤ちゃんののむ量が少ないなどのほかに、「肝鬱胃熱」が大きく関わると考えます。「肝鬱」とは、ストレスのような意味で、たまると「熱」となり、停滞したりつまりやすくなります。「胃熱」とは、高カロリーや動物性の脂肪・こってりしたもの・甘いものなどを過剰に食べることにより、「熱」がたまる状態で、やはり、滞りつまったりしやすくなります。
特に、漢方では、乳頭は、「肝」系に属しおっぱいの分泌に、乳房は、「胃」系に属しおっぱいの生成に関係が深いと考えます。
初期の赤み・腫れが強くない状態
乳房が腫れて痛むが、皮膚はさほど赤くなくて、おっぱいの出が悪くつまる感じ。悪寒や頭痛がすることも。うったい性乳腺症から急性乳腺炎の初期。腫れているおっぱいから、授乳をさせ、あかちゃんにおっぱいを吸いだしてもらう、 マッサージをしてたまったおっぱいをしぼりだす、 さといも・ジャガイモ・キャベツなどのシップも熱をとるのにの有効。
漢方では、「疏肝清熱」や「通乳」のお薬を利用します。
赤み・腫れ・痛みが強い状態
腫れ・赤みが強くなり、痛みもひどくなる。熱がでることも。 化膿性で、腫れ・痛み・発熱・リンパ節炎などがひどくなると抗生物質が必要。膿瘍(おでき)が大きくなった場合は、切開する・細い管を入れるなどして排膿が必要。
漢方では併用して「清熱解毒・排膿」のお薬を利用します。