寒い時期の風邪は、他の時期に比べて「寒」の影響をうけやすいのが特徴です。「風寒」タイプは、寒気が強くゾクゾクしたり、頭痛や下痢したりと冷えの症状が強く出ます。また、一方で、ウイルス性の風邪には、「風熱」タイプのものが多く、熱感・のどの痛み・高熱などが特徴です。長引くうちに、風寒タイプから風熱タイプに移行することもよくあります。
症状は?
「風寒」タイプは、ゾクゾクとして寒気や悪寒・頭痛などの寒症状が特徴です。 一方の「風熱」タイプは、喉の痛みのほか、発熱・熱感などの熱症状が特徴です。
治療の漢方薬は?
「風寒」タイプには、汗をかかせて寒をおいだすお薬を基本的に使います。 葛根湯や桂枝湯、頭痛がひどいときは頂調顆粒などがよく使われれます。ただし汗をかいやすい体力のない人は、使いすぎると調子が悪くなる場合もありますので、衛益顆粒を組み合わせるなどの工夫も必要です。食べ物なら、ねぎ・にら・にんにく・しょうが・かぼちゃ・おかゆなど、身体を温める火を通した消化のよいものを。
「風熱」タイプには、熱を炎症を抑え、熱を上手に逃すお薬を基本的に使います。 天津感冒片や涼解楽がお奨め。板藍茶を併せればより消炎効果が高くなります。食べ物なら、トマト・わかめ・豆腐・(生の)大根など、喉の熱をとるものがお奨め。
日頃からの予防や食品は?
外から帰ったら、まず、うがい・手洗いを。 喉の乾燥を防ぐために、特に乾燥した部屋などではまめな水分補給を。 風邪は、漢方では、衛気(ウイルス・雑菌・花粉などから身体を守るバリア力)が弱い人がまずかかりやすいと考えます。こうした人は、温度差や環境の変化にも弱く、汗をむやみにかいてしまい、その後風邪っぽくなったりもします。風邪をひく前・ひき始めは、バリア強化の衛益顆粒がお奨め。シーズンの1-2か月くらい前から飲み始めると効果的です。