寝ても休んでもとれないがんこな疲れ、これは、よく聞く副腎疲労?

寝ても休んでもとれないがんこな疲れ、これは、よく聞く副腎疲労?

腎臓の上には、副腎というのがあって、副腎皮質からはコルチゾール、アルドステロン、性ホルモンが合成・分泌されています。副腎皮質ホルモンという言葉は、よく耳にするかもしれませんね。合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)は、さまざまな病気の治療に使用され、炎症を抑えたり痛みをやわらげたりします。

その中のコルチゾールは、抗ストレスホルモンともいわれ、生命維持に必須のホルモンです。でも、日頃、ストレスを常に感じていると、副腎が休む間もなくコルチゾールを分泌しているため、やがて副腎自体が疲弊してしまいます。すると慢性のがんこな疲れや鬱っぽさが起きてしまいます。睡眠不足や栄養不足、極端な気温の変化なども副腎が疲れる原因です。

症状としては、慢性の疲れのほか、うつ症状や不眠、起立性低血圧、朝起きられない、記憶力や集中力の低下、寝ても眠気が強い、アレルギー症状の悪化、PMS症状の悪化などがあります。中医学で考えると、エネルギー不足に陥った「気虚」や免疫力低下・各種ホルモン力不足の「腎虚」の症状がよく当てはまります。気になる方は、体質にあった漢方を試してみたらいかがでしょうか。

亀鹿仙や補腎丸とつく処方などは、腎虚対策に活用されます。また、コルチゾールの材料となる栄養や休息も必要です。腎を養うため、ねばねばしたもの、黒い食材がおすすめです。ヤマイモ・長芋・なめこや、昆布・牡蛎・黒ゴマ・黒豆・海苔・黒きくらげなど。その他、鶏肉や魚介類、アジやイワシなどの青魚(オメガ3系脂肪酸を含む)、ビタミンミネラルを含む、野菜・果物・ナッツ類・クコの実・なつめも、補気の働きがあります。逆に控えたほうが良いのは、カフェインやアルコール・加工食品などです。

冬は、季節的にも腎を養うとよい時期、なるべく生活リズムを一定にして、腎の精も少しずつ補充しておきましょう。