「サエラ」 2010年9月26日付…食養生 de 漢方 Life vol.2

■食から始める漢方生活◇秋分の候

【食養生 de 漢方 Life vol.2】
 朝晩涼しくなり、ようやく過ごしやすい季節になったと思いきや、のどがイガイガする、乾燥して痛い、から咳がでるなどの不調が気になってきませんか。

「サエラ」 2010年9月26日付 これは、漢方で考えた場合、暑さによる発汗で、体が潤い不足の「陰虚」になっているからです。潤い不足の状態がよくわかるのが、漢方における「肺」系、鼻やのど、気管支、皮膚などです。口の渇き、から咳、のどの痛み、肌の乾燥となって現れてきます。

 特に今年のような猛暑は、「陰」不足が顕著になります。潤いの不足は、「肺」以外に、「心」にも影響を及ぼします。「心=心臓」が陰不足になると、動悸、不眠、寝汗、のぼせが生じ、不安感や焦燥感を覚えるなど、なんとなく落ち着かない心地になります。

 「潤い」の補給に役立つ生薬に、玉竹、食用としても利用される百合などがあり、潤いを取り戻し、気持ちを安定させる作用があります。また、食べ物では、梨、りんご、きのこ、栗、大豆など秋に出回るものやはちみつ、黒ゴマ、白きくらげなどに効果が期待できます。

 特に梨は、「肺」系の潤い補給に役立つので、から咳がでる人は、なしのコンポートなどがおすすめです(はちみつやドライレーズンと煮て、白きくらげやクコの実を加えても)。コンポートで保存すれば、たくさん買ってしまった時の作り置きにもつくり置きにもいいですね。