掌蹠膿疱症とは、手や足の裏に、無菌性の膿疱が反復して出現する基本的に慢性難治性の疾患。膿疱性乾癬とも類似するが区別される。
約10%に胸肋鎖骨関節、脊髄に関節炎を併発し、胸肋鎖骨関骨化症の場合、上胸部の疼痛や運動制限がみられる。
発症機序
・手のひらや土踏まず、かかとなどに赤み、続いて膿疱ができて、茶色っぽいかさぶたになり皮がむけるが、また新しい膿疱が別の場所にできるということを繰り返す。
・ひどくなると、手のひらや足の裏全体の皮膚が赤みを帯び厚くなり、ひび割れ、痛みを伴う。
原因
・扁桃腺炎や虫歯、歯周囲炎などの感染病巣との関連があるといわれている。
・喫煙、ビオチンの不足、歯の金属アレルギーも関連があるといわれているが、原因がみつからないことも多い。
治療
■病巣感染や金属アレルギーなど、病気を悪化させる要因があれば取り除くようにする。
*対症療法として
■外用療法
副腎皮質ホルモン外用剤、活性型ビタミンD3など。
■光線療法
PUVA(プーバ療法)(薬をのんだあと波長の長い紫外線をあてる)
ナローバンドUVB(波長が311nm付近の狭い範囲の紫外線をあてる、薬をのむ必要がなく照射時間が短いため近年普及)
■内服療法
抗生物質、ビタミンA誘導体、ビオチン(ビタミンH)など。
漢方でのみたて
・血熱(けつねつ)
・熱毒(ねつどく)
・湿熱(しつねつ)
・血瘀(けつお)
・肝腎不足(かんじんぶそく)
・血虚(けっきょ)
などにわけられます
清営顆粒、瀉火利湿顆粒、黄連解毒湯、冠元顆粒、温清飲、冬帰飲子、その他、清熱解毒作用のある健康食品などがよく使われます
養生
・病巣感染があれば治療する(扁桃腺炎、歯槽膿漏、虫歯)。
・高カロリー・高脂肪食、アルコール、コーヒー、香辛料の多いものは控える。
・甘いもの(お菓子、チョコ、ケーキなど)を控える。
・乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズなど)を控える。
・掌蹠膿疱症の患者の80%に喫煙の習慣があるといわれており禁煙がのぞましい。