水虫は、カビの一種の「白癬菌」が原因でおこります。カビの性質上、高温と多湿の環境を好み、皮膚表面の角質層に寄生して、皮膚に病変を起こします。水虫の人が素足で歩いた際、床やマット、スリッパなどに白癬菌が付着し、そこからほかの人に感染します。皮膚が傷ついていると抵抗力が落ちて感染しやすく、また足の裏の皮膚が硬い場合も、白癬菌が皮膚の深部に入り込みやすくなります。
白癬菌が感染するのは、足に限らず、感染した場所によって、俗に、頭部は「しらくも」、体部は「たむし」、陰部は「いんきんたむし」、爪は「爪水虫」などとよばれます。足の水虫は、症状や進行度などで次のタイプに分けられます。
■趾間(しかん)型
足の指の間(趾間)にできるタイプです。感染すると、その部分の皮が白くふやけ、その皮がむけて赤くただれたりひび割れたりします。痒みが強くただれると痛みもでます。
■小水疱型
足の裏や側面、指の腹などにできる小さな水ぶくれタイプの水虫です。痒みが強く密集してできることが多い。夏場によくみられる型です。
■角化型
慢性化した水虫で、足の裏全体が赤くなり、皮膚が乾燥してボロボロとむけるタイプです。痒みは少ないですが、夏だけでなく冬もみられ、ひび割れは痛みを生じます。
漢方では、「湿熱」との関係が大きいと考えます。内服の漢方では、「清熱」や「利湿」のお薬を利用します。瀉火利湿顆粒、五行草茶など。外用では、角質層への浸透性がよい華陀膏がおすすめです。華陀膏は、ジュクジュクでもカサカサでも、どのようなタイプにも使えるのが特徴です。また、水虫に似た皮膚炎には、カンジダ症、貨幣状湿疹、接触性皮膚炎などがあり、西洋薬は、間違えて使用すると悪化する場合もあります。華陀膏は、はっきり水虫と確認できなくても、痒みや炎症を鎮める効果が期待でき悪化することはまずないので安心です。
いずれの場合も、白癬菌が好む環境をつくらないこと、感染を避けること、かかったら根気よく治療、が大切です。患部は、薬用石鹸で洗い、指の間もしっかり乾かし、清潔にして乾燥させること。お風呂のマットやスリッパは感染経路になるので、まめに洗い日光で乾燥させる、スリッパの共有や素足ではくなどは、なるべくさけること。症状が治まった様でも、白癬菌は、皮膚の奥に潜んでいます。3か月は治療を続けましょう。