PMSなどのときに…緊張を解く”香り”効果 2008年5月21日付

 漢方の得意分野は多く、本来の体の働きを取り戻す特徴から、機能性疾患に特に効果的です。例えば、ホルモンバランスや冷えからくる生理痛、生理不順、不妊症、PMS(月経前症候群)、更年期障害、不眠など。血液や血管に問題のある高血圧、脳梗塞(こうそく)予防、糖尿病、アトピー性皮膚炎、肌荒れなども得意分野です。

 女性の漢方相談では生理前のイライラや不調がよくあります。PMSともいわれ、おなかや胸に張ったような痛みが出たり、感情のコントロールができず周囲と気まずくなったりしますが、病気でもないので、鎮痛剤や安定剤で何とかしのぐなどの対応になりがちです。

 西洋医学では対応が難しい気持ちの不安定や落ち込み、張痛、食欲異常などを、漢方では、「肝鬱気滞(かんうつきたい)」(漢方の「肝」は自律神経や情緒安定の役割ですが、ここが乱れる)と考えます。季節でいうと春、生理周期でいうと生理前が、肝の調子が崩れて不快な症状が出やすい時期です。この場合、自律神経のバランスを取る「疏肝理気(そかんりき)」のお薬をよく利用します。身近な生薬では、薄荷(ミント)や陳皮(ミカンの皮)があります。これらの香りが気分を変えてくれるように、この漢方は気持ちをリラックスさせ、体の緊張を解いてくれます。

 漢方を服用すると、たいていは2週間程度で効果が実感でき、次の周期の生理前は、イライラや張ったような痛みが和らぎ楽にすごせるものです。