正常な生理とは?

 生理痛以外は、意外と気にかけない生理の状態。でも、中医学でみると、体やホルモンのアンバランスもみつかります。ほおっておくと、不調がひどくなったり、病気の原因になることも。早めの養生で、正しい生理に近づけましょう!

■生理痛⇒ないのが普通
 お腹が重い・だるい程度なら問題なし。
 鎮痛剤服用・激痛は問題→瘀血・陽虚など

■量⇒50-80mlが一般的
 多い日に昼間ロングナプキンで2時間程度・夜一晩もてば大丈夫。
 もたないくらい多い場合→熱過剰・気虚・瘀血
 極端に少ない→血虚など

■色⇒やや暗めの赤
 鮮やかな赤・色が薄い・黒ずんでいるのはやや問題あり。
 赤すぎる→熱過剰
 薄い→気虚
 黒っぽい→瘀血、陽虚など

■質⇒やや粘稠
 膜状のものや塊(白っぽいもの・黒いもの)が多いのは問題あり。
 膜状・白っぽい塊→痰湿
 黒いレバーのような塊→陽虚・瘀血など

■期間⇒3-7日
 2日以内やだらだら続くのはやや問題あり。
 短い→血虚
 長い→気虚・陽虚・瘀血など

■周期⇒25-35日
 個人差あるが不定期あるいは短く・長くなってきたというのは問題あり。
 短い→気虚
 長い→陽虚
 不定期→気滞

■その他の体調
 すっきりするか、やや疲れる程度は正常。
 疲れる・眠い・風邪を引きやすい→気虚
 めまい・目が疲れる→血虚など

問題ありの体質の特徴を中医学的にみてみると…

①熱過剰タイプ

 生理血は粘って鮮やかな赤、量は多め。周期は早くなりがち。暑がり、のぼせやすい、顔が赤くなりやすい、にきびやふきでものなど肌の炎症がでやすい、便秘がち。基礎体温は、全体的に高めで生理になってもきれいに下がらないことも。子宮筋腫・ポリープ・高脂血症・高血圧・肥満・糖尿病になりやすい。

②気虚タイプ

 生理血は色がサラサラで薄い色、一般的量は多めだが、気血両虚だと少ないことも。周期は早くなりがちで不正出血なども。生理中は疲れやすく眠い。普段も疲れやすい、風邪をひきやすい、昼間や食後ねむい、胃腸が弱く下痢しやすい、顔色は白っぽい、筋肉がたるんだり下半身太りになりやすい。 基礎体温は、全体的に低めで、高温にきれいにあがらず高温期も短め。 貧血・冷え性・低血圧症・プチ鬱などになりやすい。

③血虚タイプ

 生理血は薄めで量も少ない。周期は遅れがち。顔色は白っぽかったりくすんだ感じ。肌や髪の乾燥が強く特に手足が冷える、目が疲れやすい。基礎体温は、低温期が長くなりがち、高温期もきれいに続かない傾向。貧血・冷え性・不妊症などになりやすい。

④陽虚タイプ

 生理血は瘀血をかねることが多いので塊があることが多い。生理痛がひどい。周期は遅れがち。顔色は白っぽい、特にお腹や腰のあたりが冷える。足がむくんだり腰がだるくなりやすい。基礎体温は、全体的に低めで、低温期が長く高温期が短い。 子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫、不妊症、腰痛、神経痛などになりやすい。

⑤瘀血タイプ

 生理血は黒くて塊がある。生理痛がある。くまやしみ・そばかすができやすかったりくすみやすい。肩こり・頭痛がおきやすい。基礎体温は、ギザギザしがちで、生理になっても体温が下がらなかったり、低温期に体温の高い日が混じることも。子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫、高血圧、動脈硬化などになりやすい。

⑥気滞タイプ

 生理周期が安定しない。生理前イライラしたりむくんだり胸が張ることが多い。お腹がはったり、げっぷやおならがよくでることも。ストレスを感じやすい。基礎体温は、変動が激しく全体的にギザギザ、排卵日がわかりずらい。 PMS(生理前症候群)、高プロラクチン、自律神経失調症などになりやすい。

体質改善のためのお薬や養生法は…

①熱過剰タイプ

 体の過剰な熱をとるお薬を使います⇒涼血清営顆粒、瀉火利湿顆粒など

 □熱をおいだすきゅうり・なす・すいか・トマト・わかめ・豆腐・さっぱり味などは○
 □血行をよくするような適度な運動を習慣にするのは○
 □熱をもたせる辛いもの・こってりしたもの・アルコール・肉・バターなどは×

②気虚タイプ

 エネルギーをアップさせる薬を使います⇒補中益気湯、十全大補湯など

 □気をふやすごはん・いもなどの穀類や麦・きびなどの雑穀・きのこ・豆類は○
 □胃腸に負担をかけ気を消耗する食べすぎ・飲みすぎ・不規則・食事抜きは×
 □睡眠不足・生理中の無理・無理な仕事や激しい運動・水分とりすぎなどは×

③血虚タイプ

 体を巡る血を増やす薬を使います⇒婦宝当帰膠、四物湯など

 □血を増やすレバー・なつめ・プルーン・ブルーベリー・黒ゴマ・黒豆などは○
 □血を消耗する夜更かし・長時間目や頭や神経を酷使する作業は×

④陽虚タイプ

 体を暖め代謝をアップさせる薬を使います⇒参茸補血丸、海馬補腎丸など

 □体を暖めるねぎ・しょうが・にんにく・にら・マトン・鮭・みそ・黒砂糖などは○
 □体を冷やすアイス・ジュース・ビール・生野菜・トロピカルフルーツなどは×
 □体を冷やす薄着・なまあし・クーラー・シャワーのみの入浴などは×

⑤瘀血タイプ

 血をきれいにして血の流れを良くする薬を使います⇒冠元顆粒・爽月宝など

 □血をめぐらすローズティー・シナモンやセロリ・玉ねぎなどの香り野菜は○
 □水泳やウォーキングなどの有酸素運動・手を上げ下げする運動などは〇
 □血液を粘らせる動物性脂肪や肉・油っぽいもの・甘いもののとりすぎは×

⑥気滞タイプ

 気をめぐらす薬を使います⇒星火逍遥丸、加味逍遥散、開気丸など

 □リラックスできる深呼吸やストレッチ、趣味や好きなこと・ティータイムなどは○
 □クレソン・セロリ・しそなど香りの野菜、グレープフルーツなど柑橘系は○
 □気を滞らせるストレス・忙しすぎ・神経の使いすぎ・完璧主義は×