ひとくちに生理不順といっても…

 生理不順といっても、周期自体個人差があり、またさまざまな原因やタイプがあります。でも、なんかおかしいな?と思ったら、必要な検査をし現状を把握して、治療をすることが大切です。いずれにしても、周期が変化したり、こなくなってしまったのを、ほおっておくのはよくありません。適切な対応をして、本来のリズムを取り戻そう!

■生理が数日前後する⇒気滞・瘀血など
 □ストレスやいやなことががあった・イライラが強い・胸がはる・お腹がはったりガスがたまる・生理がくるとすっきりりする⇒気滞傾向 ※BBTもギザギザ変動激しい
 □胸ハリ強い→プロラクチンが高い可能性も・生理時塊があったり生理血黒っぽい・生理痛がある・生理がきても体温が下がらなかったり低温期に体温が高い日がある・不正出血がある・生理がだらだら続く・生理前後頭痛や肩こりがひどい・内膜症やポリープがある⇒瘀血傾向 ※生理痛激しい・BBT低温期に高い日がある→子宮内膜症の可能性も

■生理が数日早まる⇒気虚・陰虚など
 □疲れやすくスタミナがない・生理の色が薄めで量が多め・生理中眠かったり生理が終わると疲れてしまう・胃腸が弱く下痢しやすい・不正出血(うすい色)しやすい・水っぽいおりものがでる⇒気虚傾向
 □ほてったりのぼせたりすることがある・生理の量が少ない・30代後半から周期が短くなってきた・排卵時のおりものも少なくなった⇒陰虚傾向

■生理が数日遅れる⇒血虚など
 □冷え性・生理の量が少ない・内膜うすい・めまいや立ちくらみがすることがある・貧血気味・生理後半お腹が痛い・疲れ目やドライアイが気になる・肌が乾燥する

■生理が大幅に遅れる⇒陽虚など
 □かなりの冷え性でお腹や腰も冷える・疲れやすい・下半身がむくみやすい・生理痛ひどい・量が極端に少ないこともある ※BBT一相性
 □多毛・ニキビ・太り気味など→卵胞が大きくなりにくい多嚢胞性卵巣症候群の可能性も

■生理がこなくなった(3周期以上)⇒腎虚・気血不足・気滞など
 □もともと虚弱体質・周期長め・腰痛あることも・初潮遅め⇒腎虚傾向
 □無理なダイエットなどで急激に体重減少・貧血傾向・忙しすぎる⇒気血不足
 □ストレスやいやなことがあった・いつも緊張やプレッシャー多い⇒気滞傾向

■そろそろ更年期かな?⇒腎虚など
 □40代になって生理の量やおりものがへってきた・疲れやすくスタミナが無くなってきた・気持ちが不安定になることも・顔がのぼせたりほてることも

体質改善のためのお薬や養生法は…

①気滞タイプ

 自律神経のバランスをとることによりホルモン分泌を正常に近づけて生理のリズムを整える薬を使います⇒星火逍遥丸、加味逍遥散、シベリア人参茶など

 普段、血が不足している人ほどストレスの影響を受けやすいくホルモンバランスも崩しやすいので、充分よい血を補っておきます⇒婦宝当帰膠など

 胸の張り・痛みが強くプロラクチン高めの人は⇒炒り麦芽など併せて

 □リラックスできる深呼吸やストレッチ、趣味や好きなこと・ゆっくり入浴などは○
 □クレソン・セロリ・しそなど香りの野菜、グレープフルーツなど柑橘系は○
 □気分にまかせて間食が多くなりちゃんとした食事をしないのは×

②瘀血タイプ

 腹部の血の流れを良くし卵巣機能や子宮の排泄リズムを整える薬を使います⇒冠元顆粒・爽月宝・水快宝など

 生理の出血が多い人は、田七人参なども利用します。

 □血をめぐらすローズティー・シナモンやセロリ・玉ねぎなどの香り野菜は○
 □下半身が冷える人はウォーキング・湯舟にゆっくりつかる入浴が〇
 □長時間同じ姿勢で仕事や作業をするときは、合間に軽いストレッチが○
 □血液を粘らせる動物性脂肪や肉・油っぽいもの・甘いもののとりすぎは×
 □特に生理中は、瘀血の原因になる冷え(食べ物も)・ストレス・過労は×

③気虚タイプ

 気をアップし血を留める力をつける薬を使います⇒補中益気湯、帰脾湯など

 □気をふやすごはん・いもなどの穀類や麦・きびなどの雑穀・きのこ・豆類は○
 □胃腸に負担をかけ気を消耗する食べすぎ・飲みすぎ・不規則・食事抜きは×
 □睡眠不足・生理中の無理・無理な仕事や激しい運動・水分とりすぎなどは×

④陰虚タイプ

 陰液(うるおい)を補い低温期を充実させる薬を使います⇒杞菊地黄丸など

 血も同時に不足している人が多いので、よい血も補います⇒婦宝当帰膠など

 □リラックスできる深呼吸やストレッチ、趣味や好きなこと・ティータイムなどは○
 □体を潤すやまいも・豆乳・ごま・白きくらげ・れんこん・貝類・鶏肉などは○
 □潤いを消耗する唐辛子など辛いもの・香りの強いもの・冷たいものは×
 □夜更かし・忙しすぎ・神経の使いすぎや興奮は×

⑤血虚タイプ

 排卵・生理に必要な血を増やす薬を使います⇒婦宝当帰膠、参茸補血丸など

 □血を増やすレバー・なつめ・プルーン・ブルーベリー・黒ゴマ・黒豆などは○
 □血を消耗する夜更かし・無理なダイエット・たんぱく質の少ない偏った食事は×
 □生理中の夜更かし・無理・目や頭の酷使する作業・ストレスは×

⑥陽虚タイプ

 体を暖めホルモン機能を活発にする薬を使います⇒参茸補血丸など

 排卵障害・血行悪い場合は、より活性化する薬を併せて使います⇒爽月宝など

 □体を暖めるねぎ・しょうが・にんにく・にら・マトン・鮭・みそ・黒砂糖などは○
 □お茶なら、シナモンティー・紅茶・よもぎ茶・プアール茶などが○
 □生理中は、パンツをはいたり、腰にカイロをつけて暖める、足湯などが○
 □体を冷やすアイス・ジュース・ビール・生野菜・トロピカルフルーツなどは×
 □体を冷やす薄着・なまあし・クーラー・シャワーのみの入浴などは×
 □生理中の薄着・クーラー・アイスや氷などの冷たいものは×

⑦腎虚タイプ

 体質にあったホルモン機能を高める薬を使います⇒海馬補腎丸、杞菊地黄丸、婦宝当帰膠など

 普段も、しっかり腎と血を増やす薬を続けます⇒婦宝当帰膠、参茸補血丸など

 □腎や血を増やすレバー・地鶏・なつめ・やまいも・貝類・黒ゴマ・黒豆などは○
 □腎や血を消耗する夜更かし・無理なダイエット・過労・冷え・偏った食事は×

8気血不足タイプ

 エネルギーと血をともに補う薬を使います⇒十全大補湯、婦宝当帰膠など

 □うなぎ・えび・レバー・地鶏・豚肉・豆類などのたんぱく質をしっかりとるのは○
 □胃腸の消化吸収を妨げる冷たいもの・油っぽいもの・お菓子類は×
 □無理・寝不足・冷え・神経の使いすぎ・無理なダイエットや運動は×