アトピーが悪化しているときは…

 漢方では、アトピー性皮膚炎は、もともと、漢方の脾(食べ物を消化吸収するところ)や腎(副腎やホルモン・アレルギーと関係)や肺(皮膚の表面を守る機能)が弱いところに、食生活の乱れ・ストレス・過労や睡眠不足などの悪化条件が加わり、発症すると考えます。また、逆に、胃腸に負担をかける食生活が続いたり、慢性の病気があると、脾や腎を弱らせ、弱い体質になってしまい、発病しやすくなります。

 皮膚の炎症(赤み・痒み)がひどいとき(ステロイドを使用している時も)は、消炎(赤みや痒みをまずやわらげること)を目標とします。食事・生活習慣に留意しながら、「清熱」や「解毒」の薬を、一般的に3か月?6か月くらい服用することをおすすめします。

 ステロイド使用の場合は、最初は併用して、症状を観察しながら減量し、最終的には脱ステロイドを目指します。 ある程度、炎症が落ち着いたら、より健康な皮膚をつくり再発しないために、体質改善の漢方を、じっくり続けることをおすすめします。

 肌や症状は一人一人違いますが、炎症のタイプをおおまかにわけるので参考に!複合して症状がおきる場合もあります。

■じくじくの滲出液と赤み・痒みが特徴⇒湿熱タイプ
 滲出を伴う赤いブツブツ・ジュクジュク・びらん・脂っぽいカサブタ・水疱など。

■赤み・痒み・上半身ひどいがおもな特徴⇒血熱タイプ
 濃い紅班・薔薇色の斑点など。イライラ・不眠などを伴うことも。

■赤み・腫れ・皮膚温度高い・広範囲・リバウンドなど重症⇒熱毒タイプ
 広い範囲の赤みや腫れ・赤い腫れを伴うジュクジュクとブツブツ・皮膚温度が高い・喉が渇く・便秘・リバウンドなどもこのタイプ。

体質改善のためのお薬や養生法は…

①湿熱タイプ

 湿と熱を除く薬き炎症を抑える薬を使います⇒瀉火利湿顆粒・五行草など

 □体の熱をのぞく野菜(特に瓜類のきゅうり、すいかや生野菜のだいこん、白菜、トマト)、緑豆や豆腐などの豆類、果物、はと麦、プアール茶などは○
 □お茶は水分を追い出すハトムギ茶・どくだみ茶などが○
 □炎症を悪化させるキムチやカレーなど辛い食べ物・ケーキやチョコなど甘いもの・こってりしたもの・刺身・肉類・ファーストフード・インスタント食品・甘いジュースなどは×

②血熱タイプ

 過剰な熱を除き炎症を抑える薬を使います⇒涼血清営顆粒など

 □熱を除くだいこん・瓜類・トマト・なす・ゴーヤ・海藻・バナナ・果物・こんにゃくなどは○
 □唐辛子など辛いもの・味の濃いもの・チョコなど甘いもの・揚げ物など油っぽいもの・乳製品、肉などの動物性脂肪は×
 □夜遅くの食事・食べすぎ・ストレス・野菜や果物の不足・便秘は×

③熱毒タイプ

 熱と熱より強い毒(重度の炎症、感染症)を除く薬を使います⇒黄連解毒湯・涼血清営顆粒・白花蛇舌草など

 □熱を除くスイカ・きゅうり・レタス・ゴーヤ・だいこん・梨・トマト・柿・生野菜は○
 □お茶は、緑茶・どくだみ茶・はぶ茶・烏龍茶・プアール茶などが○
 □こってりしたもの・油っぽいもの・ケーキやチョコなど甘いもの・揚げ物・肉類・辛いもの・食べすぎ・ストレスは×