アトピー性皮膚炎の症状が緩和しているときは、丈夫な肌をつくり再発させないために、体質の改善を目標とします。炎症を伴う場合は、「清熱」の薬と併用したり、炎症や痒みはほとんどなくカサカサ・ごわつきが激しい場合は、「潤膚」(皮膚を潤す)や「活血」(血行を促し皮膚に栄養を届ける)の方法で治療します。食事・生活習慣に充分留意しながら、長期戦で継続することをおすすめします。
肌や症状は一人一人違いますが、炎症のタイプをおおまかにわけるので参考に!複合して症状がおきる場合もあります。
■赤み・痒みとカサカサ・ゴワゴワ・きれつが特徴⇒血熱風燥タイプ
赤-赤紫色でカサカサ・ゴワゴワ・きれつがあり、痒みもひどい。精神的に安定しなかったり、イライラや喉の渇き、便秘を伴うことも。
■赤みのないゴワゴワ・フケのような皮むけが特徴⇒血虚風燥タイプ
赤みの少ないゴワゴワ・フケのような皮むけ・掻き壊し・鮫肌。痒みは強い。
■黒っぽいゴワゴワ・皮膚が萎縮したり乾燥⇒脾腎両虚タイプ
皮膚が黒ずんでゴワついたり、萎縮している部分もある。 冷えやゾクゾクがある、食欲がなく下痢しやすい、疲れやすいタイプが多い。
体質改善のためのお薬や養生法は…
①血熱風燥タイプ
炎症を抑え皮膚に潤いを与える薬を使います⇒涼血清営顆粒・温清飲など
□体の熱をのぞく野菜(特に瓜類のきゅうり、ゴーヤ、すいか、なすや生野菜のだいこん、白菜、トマト)、果物、はと麦、プアール茶などは○
□炎症を悪化させるキムチやカレーなど辛い食べ物・ケーキやチョコなど甘いもの・こってりしたもの・刺身・肉類・ファーストフード・インスタント食品・甘いジュースなどは×
②血虚風燥タイプ
痒みを和らげ皮膚を潤す薬を使います⇒当帰飲子・温清飲など
□皮膚に栄養を与えるレバー・豆類・色の濃い野菜・ドライフルーツなどは○
□皮膚を乾燥させる唐辛子など辛いもの・味の濃いもの・チョコなど甘いもの・揚げ物など油っぽいもの・乳製品、肉などの動物性脂肪は×
□寝不足・ストレス・生理前後の過労は×
③脾腎両虚タイプ
肌を修復し、色素沈着や萎縮の改善を目指します⇒八仙丸・冠元顆粒など
□胃腸や腎を強くする山芋などの根菜・黒ゴマ・黒豆・黒砂糖・海藻・貝類などは○
□お茶は、紅茶・烏龍茶・プアール茶・ほうじ茶などが○
□胃腸や身体を冷やす冷たい飲み物・消化の悪いもの・ケーキやチョコなど甘いもの・揚げ物・肉類・辛いもの・食べすぎ・ストレスは×