このイライラは上司のせい?ダンナのせい?それとも…

 朝から晩まで、仕事や家事が多くて、あわただしい毎日。なのに、上司は無理ばっかりいうし、部下はのんきなポカミスが多いし。ダンナは、帰る時間まちまちだし、休日はごろごろしてペットと遊ぶだけ。。なんで私ばかり、こんな忙しい思いをするの?!とイライラがつのる。特に生理前は感情を抑えられず、誰かに当たりたくなる。ため息まじりの今日この頃。。

 ストレスは、差こそあれ、どんな人でも、それなりに抱えざるをえません。でも、ストレスを受けたときの、気持ちの乱れかた、身体の変化(胃が痛くなるとか、吹き出物がひどくなるとか、血圧が変動してしまうとか)には、個人差があると思いませんか?また、生理前に、いつもよりストレスを感じるという人も多いはず。

中国漢方では?

 漢方の「肝」は、現代医学の肝臓の意味のほか、感情のコントロール・自律神経の調節・視覚の調節・血液量の調節などの機能を包括したものととらえます。そして、「肝は疏泄・そせつを主る」といわれています。簡単にいうと、気持ちがのびのびするよう気をめぐらせ、ほかの臓器にも悪い影響が出ないように、ストレスから守るような仕組みです。だから、肝が弱ると、イライラ・ユウウツといった情緒の不安定だけでなく、胃腸の調子が悪くなる・生理不順・自律神経失調症といった症状もでやすくなります。イライラすると、「肝血」を消耗し、肝が栄養不足になるので、さらにイライラします。

 女性の場合、生理前の高温期2週間は、「陽」が多い時期で、肝の(陽)気も必要以上に亢進してしまう傾向にあるので、怒りっぽくなる・頭痛・腹部の張った痛み・乳房の痛み(ここは肝の経絡です)・過食などがおこる傾向にあります。中国漢方には、「疏肝薬」や「清肝薬」といった、「肝」の働きを回復させるお薬がそろっています。これらは、気持ちに余裕をもたせ、同じ状況でも、忙しさや複雑な人間関係・めんどうな雑事をうまく乗り切るお手伝いをします。口げんかをしたり、愚痴ったり、ため息やヤケ○○が減るかもしれません。

 また、「肝」の栄養不足で、ウツ傾向や落ち込み・自責の感情が強く出る人、「肝」に熱がたまって、一方的にまくしたてたり、キレてしまう人、それぞれぴったりのお薬は違ってきます。

□うつ、おちこみ、イライラ、胸の張った痛み、貧血・冷え気味→星火逍遥丸
□イライラ強い、胸の張った痛み、ややほてり気味、舌も赤め→加味逍遥散
□イライラ強い、胃や脇腹が熱っぽく感じて痛い、緊張して下痢する→開気丸
□うつ、イライラ、プロラクチン高め、胸が張ったり乳汁分泌→炒麦芽

 などがよく使われるお薬です。

養生法など

 環境がかわったり、好きなことをしたり、誰かとおしゃべりしたりして、なんとなくよくなってしまうかもしれません。それなら、『疏肝』しているので心配ありません。でも、だんだん、ひどくなるなら要注意。PMS、高プロラクチン血症、自律神経失調症、鬱病などにつながる可能性があります。

 「肝」は『酸』味が養うといわれます。すっぱいものを積極的に。かんきつ類・梅・酢・ぶどう・いちごなど。精油成分の多い、ミント・青じそ・セロリ・香菜・ハーブティーなども。どんなことで気が晴れるかは、人それぞれ。自分にあった気晴らしをみつけましょう。なんでも、きちんとやろうと義務ずけてがんばってしまう人は、いつか、パンクしてしまいます。どこか、抜くところもみつけてくださいね。