以前から、生理の時は、黒っぽいカタマリがでてたけど、そういうものだと思っていました。でも、最近、冷えと生理痛はひどくなるし、カタマリは増えるし、顔色もさえないし、病院で検査したほうがいいかなあ。同僚に聞いたら、生理血は、赤くてカタマリなんてないって。なんで私はちがうの？？
女性同士でも、生理が遅れるとか、痛いとかそのあたりまでは話題にのぼっても、あまり具体的なことは話さないかもしれません。でも、実は、生理の様子は、身体の状態を知るる大きな情報源なので、漢方薬を選ぶ際には（特に婦人病の場合）、詳しく聞くこともあります。特に、生理の色や、カタマリがあるかは、ひとつのポイントです。
中国漢方では？
生理血中に「塊」があることや色が黒ずんでいることは、漢方では血行不良の結果の「瘀血（おけつ）」としてとらえます。「通じざれば、すなわち痛む」といわれ、瘀血があると、生理痛がおきるのはもちろん、子宮内膜症・子宮筋腫・ポリープ・ガンなどになりやすくなります。卵管をふさいだり、子宮内膜を栄養豊かに厚くすることができないので、不妊症にもなりやすくなります。この瘀血の現象は、たいてい、冷えやストレスから、徐々におきてきたものです。「痛む・しこる・黒ずむ」が3大兆候といわれており、ほかに瘀血の症状としては、排卵期の痛み・肩こり・静脈瘤・顔や唇や皮膚が黒ずむ・色素沈着などがあります。
中国漢方には、「活血薬」や「消腫散結薬」といった、血行を改善したり、硬くしこったできものを攻撃するお薬があります。ただし瘀血の程度、瘀血の強い部位などによって、服用する薬や量を、加減する必要があります。冷えなどが強い方は、根本的な体質改善薬も必要になってきます。
□心臓を中心として細い血管までほぼ全身の血流を改善→冠元顆粒
□暑がり・ホルモン治療などで身体が熱く感じる、体温高いときなどは→血府逐瘀丸
□筋腫・ポリープなどのデキモノができつつあるときは→爽月宝、水快宝、桂枝茯苓丸
などがよく使われるお薬です。
養生法など
瘀血を改善する薬を服用すると、生理痛がラクになるのはもちろん、生理の血液って、赤かったんだ、塊ってなくなるんだと驚く方がほとんどです。それだけ、子宮の中はもちろん、身体の血液の質や流れ方が改善された証拠です。血液の状態がよくなってくると、肌色もよくなり、くすみやくま・サメ肌の悩みも改善します。
瘀血は、実にさまざまな病気に関係しています。子宮内膜症や子宮筋腫・卵管癒着などの婦人病や、狭心症・高脂血症・脳梗塞・脳出血・高血圧などの循環器系疾患はもちろん、痴呆症・糖尿病・肝臓病・腎臓病・痛風・ガン・ポリープ・痔などにも、関連しているといわれています。生理の状態がイマイチと感じたら、早めの瘀血対策をお奨めします。
血行を促すのは、水泳などの全身運動・ぬるめのおふろでのゆっくり入浴・ストレッチ・指圧など。食品では、香りの強い野菜のねぎ・たまねぎ・アスパラガス・ニラ・パセリ・トマト・青魚などがお奨め食材ですが、外食やできたものはほどほどに、バランスのよい食事が大切。動物性の脂肪、こってりしたもの、甘いものなどはとりすぎると、瘀血傾向が強くなるので注意。