喉にいつも何かひっかかっているような、異物感があって、飲み込んでも、咳払いしてもすっきりしないんです。気管支が悪いのか、胃腸が悪いのか、検査をしてもわかりません。痛くもないけど、なんとなく不快。気のせいとか神経質だからともいわれるけど。こんな感じ、私だけ?。
水分のとりすぎ、暴飲暴食などは、体内に水分が過剰になり、むくみ、頭の重だるい痛み、身体の重だるさなどとして現われてきますが、水分過剰がストレスなどと一緒になったときは、喉の異物感として感じることがよくあります。
中国漢方では?
水分の代謝は、漢方では、主に脾(胃腸)肺腎が担当していると考えます。ストレスが多い・気を使うことが続いたりすると、気滞という状態になり、それが肺や胃の気をおろす作用を阻害するため、水分も代謝されなくなり「痰湿」が生じます。さらにそれは、気滞とくっついて、「梅核気」というものを作ってしまいます。それが、飲み込んでも、咳払いしてもすっきりしない、のどの邪魔者の正体です。おろす力が弱いので、同時に、悪心・嘔吐・咳・胸苦しさなどを感じることもあります。舌の苔は、白くべったりする傾向があります。
中国漢方には、「行気化痰薬」をいう、気をのびのびとめぐらし過剰な痰をおろして追い出す薬があります。痰湿は、身体のどのあたりに、どんな状態であるかによって、使用するお薬を工夫します。でも、痰はしつこくまとわりつくので、少し気長にね。
□喉に何かつかえたよう・悪心・気分がふさぐ・鬱っぽい→半夏厚朴湯
□喉がつかえる・胃がもたれる・めまい・吐き気・身体がだるい・鬱っぽい→星火温胆湯
がよく使われるお薬です。
養生法など
痰湿は軽いうちは、喉の違和感だけですが、胃もたれ・むかつき・吐き気・下痢などの胃腸障害として現われたり、メニエール病やうつ病・自律神経失調症などにもつながる傾向があります。気滞にならないようにする気をめぐらす食べ物は、ペパーミント、スペアミントなどのハーブや、セロリ、春菊・香菜など香りの強い野菜。半夏厚朴湯に入っている紫蘇もお奨めです。生でも乾燥してお茶にしても。
痰湿のもとになる過剰な水分を追い出す食品は、すいか・メロン・梨などの果物や、とうがん・きゅうりなどの瓜類、はとむぎ・小豆・大豆などの豆や穀類です。味の濃い食事も、余分な水分をとってしまいますから、薄味を心がけてください。食べすぎ、寝る直前の食事なども、胃腸の働きを弱めて水はけを悪くしますから、腹八分目に。