最近、爪がうすくなってきたみたいで、伸ばしてても途中で折れてしまって。。前は、きれいに伸ばせたのに。そういえば、このごろは、肌もくすんでかさつくし、髪の毛も傷みやすい。太りにくい体質なのはいいけど、立ちくらみがすることもあるし、生理も遅れがち。栄養のバランスが悪いのかしら??。
女性には、生理・妊娠・出産など血液を消耗することが多くあります。さらに、食事のバランスが悪かったり、栄養の吸収が悪かったり、造血作用が弱かったりすると、簡単に貧血傾向におちいります。めまい・たちくらみ・動悸・だるさなどのほか、目や肌・髪の乾燥感、爪がもろくなるなどの症状も起きてきます。
中国漢方では?
血液が薄かったり(いわゆる鉄欠乏性貧血)、血液そのものが少ない状態を、漢方では、「血虚」といいます。「血」は、「肝」に蔵されていて、「血」が充分にあってはじめて「肝」の機能が正常に果たされます。肝は、目や筋肉・爪・怒りの感情と関係が密接ですから、血虚傾向があると、髪や目が乾燥してパサつく、筋肉がピクつく・つる、爪がもろくなる、ストレスを感じやすくなるなどの症状がおきてきます。また、「血」は「心」とも関係が深く、漢方の「心」は、精神活動・血流に関係してますから、血虚傾向にあると、不安感・不眠・動悸・息切れなどがおきてきます。
中国漢方には、「補血薬」といった質のよい血を増やす薬があります。人によっては、疲労・造血力不足・精神不安なども同時によくありますから、それぞれ「補気薬」や「補腎薬」「安神薬」といった薬を併用すると治療効果をよくします。
□補血の代表的なものは、血を増やしてくれる当帰が豊富な→婦宝当帰膠
□胃も弱い・なにかとくよくよ心配しがち・疲れやすい・生理早まる→帰脾錠
などがよく使われるお薬です。
養生法など
血虚がすすむと、貧血はもちろん、生理不順・無月経・月経過少・不妊・更年期障害などの婦人病につながります。また、精神科領域のうつ病・神経不安症・不眠などにもなりやすいといわれています。ドライアイ・近視・かすみ目、目の老化も早めます。
「血」の材料は、やはり、良質のたんぱく質。鶏肉・レバー・卵・豆・大豆製品を取り入れたバランスのよい食事を取るようにしてください。ビタミン・ミネラル・葉酸の豊富な色の濃い野菜も大切です。造血作用があるといわれる黒ゴマ・黒大豆・黒砂糖・黒きくらげ・なつめ・龍眼肉・くこの実などもおすすめ。単品メニュー・インスタント食品・菓子パンやお菓子だけの食事はダメです。
漢方には、「女性は血をもって本となす」という言葉もあり、女性にとっては、一生を通じて、たいへん重要なものであるとみなしています。たしかに、肌・爪・髪などの美容面での役割もさることながら、生理・妊娠・出産といった大事な女性の役目にも、なくてはならないものです。また、「血」が充分であれば、更年期のつらさも軽減されるはず。どんな年代の人にも、元気で明るく過ごすために、『血』は充分に蓄えておいてほしいと思います。