よく、君の手冷たいねっていわれるのよね。確かに、色白でスリムなほうだし、体温低いほうかもしれないけど。手の先が痛痒いこともあって、内心、しもやけができるんじゃないかと心配。いまどき、子供でもしもやけの子なんていないし、私のイメージじゃないわよね。寒いところに出かけると、手足が痛くなってくるし、ホカロン手放せないなんて、ちょっと冬がユウウツ。もう少し、あったかい身体にできないかしら??。
女性には、生理・妊娠・出産など血液を消耗することが多くあります。さらに、食事のバランスが悪かったりダイエットなどで、貧血傾向・低血圧・低体温傾向の人は、秋から冬にかけては、肌・髪の乾燥、疲れやすいなどの症状のほか、冷え性の特徴が強くでてきます。
中国漢方では?
血液が薄かったり(いわゆる鉄欠乏性貧血)、血液そのものが少ない状態を、漢方では、「血虚」といいますが、「血虚」の状態だと、血脈内(血液が通る道・西洋医学の血管と似てます)に充分な血液を送ることができないので、秋から冬は、「寒邪」が血脈内に入り込みやすくなります。これが、「血寒」となり、停滞する場所によって、下腹部痛・腿の内側の冷え(肝系)・生理痛(衝脈・任脈)の原因になります。手足の冷え・痛みはもちろん、頭痛・生理痛など、身体のあちこちで、冷え・痛みが起きてきます。
中国漢方には、「補血薬」といった質のよい血を増やす薬や、「散寒薬」といった寒さを追い出す薬があります。これらを組み合わせた処方もあります。
□手足冷え・顔色白目・肌がカサつく・生理遅れたり生理痛→婦宝当帰膠
□手足冷え・痛い・しもやけ・生理痛・頭痛→当帰四逆湯(加呉しゅゆ生姜)
などがよく使われるお薬です。
養生法など
血寒は、生理・妊娠・出産に関係が深い任脈や衝脈というところも邪魔するので、婦人科の病気の生理不順・生理痛・子宮内膜症・子宮筋腫・月経過少・不妊などと直結します。たかが冷えといっても、慢性化すると、いろいろな病気がおこってきます。
「血」の材料は、やはり、良質のたんぱく質。鶏肉・レバー・卵・豆・大豆製品を取り入れたバランスのよい食事を取るようにしてください。ビタミン・ミネラル・葉酸の豊富な色の濃い野菜も大切です。造血作用があるといわれる黒ゴマ・黒大豆・黒砂糖・黒きくらげ・なつめ・龍眼肉・くこの実などもおすすめ。暖める作用のあるねぎ・にんにく・生姜・シナモン・唐辛子なども適度に。冷えて、調子の悪い人は、とにかく冷やさないように。特に下半身や襟元・袖口、体温が急激にさがる生理中は要注意。 入浴は、薬用の入浴剤などを入れて、よく湯船につかることをお奨め。