もともと胃腸は丈夫じゃないけど、この頃、胸焼けやげっぷが多いんです。妙にお腹が張ったり、お通じもすっきりしないし。人と接することが多い仕事だから、げっぷはけっこう困るんです。胃の薬のんでもあんまり変わらないみたい。なんでこんなにげっぷがでるのかなあ??。
暴飲暴食・ストレス過多などの環境では、食べ物をよく消化するために胃酸が多く分泌され、胃酸過多になりがちです。また、さらにすすむと、胃酸が食道に逆流して停滞、炎症をおこし、胸焼けなどの症状をきたします。逆流性食道炎とよばれ、最近増えている病気です
中国漢方では?
中医学では、胃腸の働きは「脾胃」(消化器の機能)というところが担当していて、「胃」は食べたものを、胃酸を分泌しながら消化して、下の方向におろしていきます。その後、「脾」が吸収しますが、このときは上の方向に運ぶと考えます。これら「脾胃」の作用を助けているのか「肝」の「疏泄」作用で、エネルギーのようなものである気をめぐらしながら、消化吸収を助けます。しかし、「肝」は、ストレスやイライラ・ホルモンの変化などがひきがねになり、その「疏泄」の機能を乱しやすいのです。すると、それは「脾胃」の消化機能にも影響してしまいます。
「肝」の「疏泄」機能が乱れた場合、「胃」に影響を及ぼすと、本来おりるべきものがおりず、げっぷ、すっぱいものがこみあげる、むかむかする、嘔吐など、上逆する症状がおきます。 また、「脾」に影響を及ぼすと、おもに大腸の機能を邪魔し、下におりてしまい、下痢しやすくなります。逆流性食道炎は、「胃」の上逆が目立っておきている状態です。もともと「脾胃」が弱いという場合もありますが、「肝」が「胃」の機能を邪魔したためにおきるケースがほとんどです。
中国漢方には、「疏肝薬」や「健脾薬」といった、肝の疏泄機能をよくしたり、胃腸を守る薬があります。
□ストレスやイライラ強い、胸焼け・げっぷ、お腹や脇がはる、舌赤め→開気丸、シギロン
□もともと胃腸弱い、気分がおちこみやすい、水分やお酒よく摂る、舌苔白い→星火温胆湯
などがよく使われるお薬です。
養生法など
ストレスが原因とわかっていても、なかなか避けられるものではありません。その人なりの、ストレス解消法や熱中できることを、いくつか見つけるなども大切です。また、胃腸の調子を整えておけば、ストレスの影響は受けにくくなります。食べすぎ、のみすぎ、一度にたくさん食べる、冷たいもの・脂っぽいもの・動物性のもの・生ものなどは、胃腸に負担がかかるので、気をつける必要があります。
ストレス解消の「ちょっと一杯」は、少量であれば気分をよくし、食欲増進の効果もありますが、量が多くなると、胃酸の分泌を分泌させるので、逆効果になります。お酒でストレス解消をと考えている方は、のみすぎは禁物です。