暑い夏にたくさんの汗をかいた体は、津液(体内で役に立つ水分)不足になってしまうことがよくあります。また、一般的には加齢とともに津液は不足しやすく、ほかに元々の体質や生活習慣でも不足してしまう人もいます。
秋は、外気の乾燥や気温の変化などもあり、津液不足の症状がでやすい時期です。津液不足がひどくなると、「虚熱」というものが生じることがあり、手や足のひらのほてり・熱感、顔のほてり、寝汗、いらいら感や焦燥感とともに、夜も神経が高ぶり寝つけないなどの睡眠障害がおきやすくなります。
症状は?
胸のあたりが苦しい感じで寝つきが悪くなる・特に夕方から夜は手足のひらが暑く感じる・いらいらしたりすぐのぼせる・寝汗をかきやすい・口が渇きやすい・頭ばかり汗をかく感じがする。
治療の漢方薬は?
不安感や焦燥感が強く動悸がする、ホルモンバランスなども悪い時は、天王補心丹など。顔が赤い・ほてり・熱感・口の渇き・汗が多いなど熱の症状が強ければ、瀉火補腎丸など。食欲不振や脱力感など、夏の疲れが残っているようなら、香西洋参など。
日頃からの予防や食品は?
普段から(特に夏の間)、体を潤す食材がおすすめです。きゅうり・ウリ類・トマト・すいか・なすなどの夏野菜、なし・ぶどう・メロンなどの果物、豆乳や大豆製品、あさり・しじみ・はまぐりなどの貝類が潤す作用があります。すっぽん・松の実・黒ゴマ・白きくらげ・ゆり根などもおすすめ食材です。 辛すぎるもの・刺激のあるもの・過度のアルコール・タバコはほどほどに、サウナや運動での汗のかきすぎ、夜更かしも陰液を消耗するので注意が必要です。