子宮内膜症は、内膜組織が、子宮腔外で異常増殖し出血するため、激しい生理痛・腰痛・出血による貧血・生理期以外の下腹痛などを呈します。現在急増しつつある婦人科疾患です。不妊にも、主にチョコレート嚢腫による卵管狭窄・排卵障害・着床障害などの部分で、影響を与えているといわれています。
中国漢方では、異常内膜組織を『瘀血ちょう積(血行不良の結果、腫瘍や塊ができること)』と考え、塊を攻撃するとされる『活血化瘀・消腫散結薬』を中心に、症状と患部の状態の改善を図ります。これらの薬にも、種類があり、出血が多い・痛みが強いなどの症状や、生理周期にあわせて、使い分ける必要があります。
ただし、結果として、内膜症『瘀血ちょう積』を形成したのには、もともとのホルモン分泌不足・(特に生理時の)飲食物やクーラーによる冷え・過剰なストレスなどの原因や誘発要因があると考えます。個人差はありますが、原因治療のお薬を併用すると、より効果が期待でき、再発防止に役立ちます。
例えば、『活血化瘀薬』に、ホルモンの分泌を促す『補腎丸』やリラックス効果のある『疏肝薬』などを組み合わせて服用すると、3-6か月の服用で、かなり生理時の辛さがやわらぎ、基礎体温や周期も正常に近ずくことが可能です。また、無理に排卵を止めたり、生理を抑えたりしないので、生理のサイクルを正常に保ちながら、治療をすすめられるメリットがあります。